事業期間:2016年度〜2020年度

2017年12月 4日 (月) │ ボイスこれからのシステムデザインを基礎から学ぶ~ビジネスシステムデザイン分野~

筑波大学 システム情報系 情報工学域 教授
河辺 徹 (かわべ とおる)
筑波大学 システム情報系 情報工学域 教授
三末 和男(みすえ かずお)
筑波大学 システム情報系 情報工学域 准教授
嵯峨 智(さが さとし)
筑波大学 システム情報系 情報工学域 准教授
面 和成(おもて かずまさ)
筑波大学 システム情報系 情報工学域 助教
渡辺 知恵美(わたなべ ちえみ)

――本分野のねらいを教えてください。
河辺先生: IoTなど進化を続ける先端情報技術や情報インフラにおけるこれからの社会ニーズ、特にビジネスニーズに対し、アプリケーション開発技術やシステムデザインの素養を活用するスキルを身に付けることを目的としています。実はenPiT1の取り組みが平成28年度の教育に係る筑波大学長表彰を受賞しました。大学院課程の教育の質の向上に多大な貢献をしたことが認められたわけです。
―― どういう体制で運営されるのでしょうか?
河辺先生: enPiT1では3連携大学でしたが、enPiT2では連携大学が新たに7大学加わりました。いずれもenPiT1では参加大学であり、経緯も含めて十分な情報共有ができています。今後は、enPiT1のノウハウや情報をベースに、10大学で情報共有をさらに進めていく予定です。
三末先生: enPiT1では教材などを提供される側だった参加大学も、enPiT2では教育を提供できるようになりました。こうした広がりはenPiT1で得た大学間の太いネットワークから生まれたものと言えます。
――企業のサポート体制は?
河辺先生: 企業の参画もこれまでと同様です。ワーキンググループを通じてアドバイスもいただいています。中には学生と一緒に開発まで行う非常に熱心な企業もいます。
渡辺先生: 大学の教育方針に関心を持つ企業もいます。合宿への参加をきっかけに、大学の活動を知ったというフィードバックもいただきました。
――夏季合宿の実施方針を教えてください。
嵯峨先生: enPiT1では、初めにアジャイル開発、リーンスタートアップなどの研修を行い、それを踏まえてPBLを実施しました。加えてオムニバス講義(プレゼンテーション方法やロジカルシンキング)で、学生の知識を固め、報告会で総括するというやり方でした。enPiT2も、研修+オムニバス講義+PBLの三本柱の予定です。
面先生セキュリティを考える時、性善説の立場で考えてしまうと、最終的にはいろいろな問題が起きることが多々あります。そこで性悪説の立場で考えるセキュリティマインドの重要性もこのPBL演習では教えることができると考えています。
――学生へのメッセージをお願いします。
渡辺先生: 「これからの人生を考えていくうえで、自分自身が武器を持って、就職するためだけではなく、その先の人生を考えていくうえで、常にどういう武器を持って自分が進んでいくかということを考えていきなさい」という言葉をあるイベントで耳にしました。enPiTは、その武器のひとつになると思います。しかし、ただプログラムを受講しただけでは何の武器にもなりません。自分の中でどういう武器になるかということを常に考えて受けてください。