事業期間:2016年度〜2020年度

2019年4月 3日 (水) │ ボイス学生インタビュー:機会を活かしコミュニケ―ションをとる難しさを体験~組込みシステム分野~

菊池敬裕さん 芝浦工業大学 4年工学部情報工学科
山本千夏さん 東海大学 4年情報通信学部 組込みソフトウェア工学科
田部井真那さん 東海大学 4年情報通信学部 組込みソフトウェア工学科

-大学を選んだ理由

菊池さん:高校生の頃にスマ―トフォンが広く普及しはじめて、その時に「アプリケーション」という言葉を知り、自分でもアプリを開発してみたいと思い、情報工学科を選びました。今回、PBL基礎であるQProBを受講しました。GR-PEACH(ジーアールピーチ)という組込みボードとつながったZumo(ズーモ)というキャタピラ式のロボットをコントロールします。ロボットはクラウドサービスを使ってネットワークを介して操作します。
山本さん:組込みソフトウェア工学科を選んだ理由は、ハードウェアとソフトウェアを両方学びたいと思ったためです。組込みシステムの技術者はまだまだ少ないと聞いており、この分野は将来性があると思いました。今回、QProBに加えて、2つの海外コースも受講しました。1つはドローンを飛ばしカメラでQRコードを読むというものです。これは読み込みスピードを競います。もう一つは現地会社(タイ)のインターンシップを経験しました。
田部井さん:中学の頃にロボットコンテストにしばしば参加していたこともあり、ロボットを動かすことが楽しいという思いがありました。これが組込みソフトウェア工学科を選んだ理由です。私は、QProBと上級コースのQProA、および2つの海外コースを受講しました。


-どこで知ったか

菊池さん:大学の教授の紹介でした。
山本さん:渡辺先生の紹介で講座を知りました。
田部井さん:私も渡辺先生の紹介でした。

-受講理由

菊池さん:情報工学科では、ソフトウェアの開発がメインでハードウェアを扱う機会があまり無く、もっとハードウェアについても学びたいと思い、受講しました。
山本さん:大学では組込みシステムを学ぶ講義があるのですが、もう一歩踏み込んだ内容で実践的なことを学びたいと思ったためです。
田部井さん:普段の講義で得た知識が、どのくらい活かせるのかを確認したいと思い、受講しました。自ら工夫し、試行錯誤しながら学ぶという点も期待していました。


-受講前に期待していたこと

菊池さん:組込みシステムや組込みボードの知識について、一通り学べることを期待していました。
山本さん:より実践的なロボット制御を行えることを期待していました。
田部井さん:失敗することが多くあるだろうと考え、失敗時のリカバリができるのか、リカバリの仕方を学ぶことを期待して受講しました。

-受講前に不安だったこと

菊池さん:ソフトウェアではなく、普段はあまり触れることのないハードウェアの世界だったので、ついていけるかどうかが不安でした。
山本さん:技術的についていけるかどうかが不安でした。
田部井さん:失敗の原因や対処方法についてみんなと話し合い、意見を合わせられるかという点が不安でした。

- 受講中楽しかったこと

菊池さん:専門知識を学べるという点です。4大学の先生方からじきじきに講義していただき、楽しく受講できました。徳島大学の三輪先生の授業はとても面白かったです。制御に関する方法論は、自分では思いつかないことが多く、納得することが多かったです。
山本さん:段階を踏んで、課題解決を進めていく過程が面白かったです。また、海外で参加したグローバルPBLは、英語でのコミュニケーションが必須でしたが、自分が言いたいことをうまく伝えられず、お互いにクイズを出し合っているような状態でした。しかし、相手のことを理解するためのコミュニケーションをどのように行えば良いかを考える良い機会となりました。
田部井さん:海外コースでは、1グループあたり4-5人で構成されましたが、その中で日本人は自分だけで、他のメンバーは全てタイ人でした。何度もやり直しながら、また悩みながら進めたすべての出来事がとても良い経験となっています。英語での意思疎通がうまくできなかったことも今となっては楽しい思い出です。お互いに言わんとすることをメモにして確認したり、図表で説明したり、時にはGoogle翻訳を使ったりと、お互いを理解するためにいろいろ駆使しました。

- 受講後に満足に感じたこと

菊池さん:組込みシステムの知識を一通り得られたのでとても満足です。また、大学の研究室のメンバーでそのまま参加できたことも大きいです。共同作業を通じて、研究室のメンバとも非常に仲良くなれました。課題をみんなで話し合い、解決していけたからこそ仲良くなれたと感じています。
山本さん:みんなと一体感を持って講義に臨むことができました。また、個人的にはタイ語にも興味があり、タイの学生とのやりとりは楽しかったです。受講後の研究室における役割分担が明確になったことも満足につながっています。
田部井さん:言葉が通じなくてもコミュニケーションは取れる、伝わるということを体得できたことが今回の一番の気づきでした。

- 受講後に不満だったこと

菊池さん:ネットワーク環境が不満でした。ロボットをクラウドのサービスを使って動かす必要があっため、ネットワーク環境が必須でした。しかしながら、一つの教室にロボットを使う人がたくさんいたので、繋がりにくく困りました。
田部井さん:役割分担でしょうか。一度決めた役割がずっと続いたので、いろいろな役割を経験できれば良いと思いました。今回、私はプログラミング、あなたは発表というように、それぞれの役割を明確に分けたのは良いとしても、最初から最後までずっと同じだったことが少し残念でした。

- 自己評価

菊池さん:80点です。学んだことを全て理解していたわけではなかったからです。開発の環境からスタートして、初めの一歩からプログラミングの中身など、時々駆け足になるところもあり、全部を理解しようとすると大変なところがありました。
山本さん:70点です。もう少し周りの人と話して繋がりを持ちたかったです。数人とはSNSの交換をしましたが、もう少し多くの人とSNSで情報交換をしたかったです。
田部井さん:70点です。海外行きの準備で手間取ったことや実際に現地(タイ)では思ったほど話ができなかったからです。ですが、病気になれず帰ってこられてよかったと思います。


- 研究と勉学の両立に気をつけたことは

菊池さん:勉強に時間をかけすぎると研究の進捗が遅れてしまうので、勉強は短時間に一気に進めることにしていました。一方、研究は細かい作業もあるのでじっくり時間をかけて進めています。おかげでメリハリをつけることができました。この経験は今後も役に立つと思います。
田部井さん:私は場所ごとにやるべきことを変えました。つまり、家で勉強、大学では研究ということです。

- 役立つと思えた点は

菊池さん:勉学という点で、大学学部生は他大学と交流する機会は非常に限られていますが、この enPiT のようにいろいろな大学と交流できるということは、勉学の面でもとても良い機会だと思いました。
山本さん:インターンシップは業務が伴ったので、勉強に割ける時間も限られてしまい、大変でした。しかし、この経験から、大事なことに集中するという力を身につけることができたと思っています。また、スケジュール管理能力もアップしました。
田部井さん:合意形成をする上で、勘違いやすれ違いということはままあります。こうしたことが起きないように、細部を説明し、理解してもらうための工夫が今後も役に立つと思っています。

- おすすめしたい人

菊池さん:組込みシステムに興味はあるが、ハードルが高いと感じている人です。とても丁寧に教えてくださる講義なので、そのような人たちにはおすすめしたいです。
山本さん:ものづくりに興味がある人におすすめです。ものづくりに興味がある人は一風変わった人はいますが、悪い人はいません(笑)。
田部井さん:海外で受講するため、日常生活で不便なことがあったり、生活環境の違いもあります。こうした細かいことを気にしない人向けです。また、失敗を楽しめる人、大雑把な人がおすすめだと思います。

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菊池敬裕さん 芝浦工業大学 4年工学部情報工学科



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山本千夏さん 東海大学 4年情報通信学部 組込みソフトウェア工学科



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田部井真那さん 東海大学 4年情報通信学部 組込みソフトウェア工学科